かなえ法律事務所は、茨城県古河市・埼玉県久喜市所在の法律事務所(弁護士事務所)です。一人で悩まずにお話をお聞かせください。

Debt consolidation2

弁護士による債務整理方法の詳細

事例

 就職したての頃、給料が少ない割には新生活に必要な物などの購入費用がかさんで持ち合わせが無くなってしまったとき、翌月の給料さえ入れば返済できるだろうとあまり深く考えずに消費者金融から借り入れをしました。
 その後、借り入れが半ば癖になってしまい、生活費が不足すると、消費者金融から借り入れをして不足分を補うようになりました。最初は1社だった借入先もいつの間にか5社になっていました。5年くらいの間は、給料を返済に回すことで何とか返済を続けてきましたが、昨年末、勤務先の業績が悪化し、あてにしていたボーナスがもらえず、給料も減額になってしまいました。そこで更に2社から借り入れをして、半年くらいは、A社から借りたお金をそのままB社に返済するというような自転車操業を繰り返してきましたが、それでも、利息分しか返済できず、元金は一向に減りません。
 最近では返済も遅れがちで、消費者金融から返済の督促の電話が来て困っています。これ以上、貸してくれる消費者金融もありません。

1.債務整理の必要性

 この方は典型的な多重債務者であるといえます。このままの生活を続けていても、生活の改善は見込めませんし、例えば急な出費があった場合、それが例え少額であったとしても、たちどころに返済不能の状態に陥ることは目に見えています。そこで、債務整理を行う必要性が出てくるのです。

 債務整理は、当然のことながらご自身で行うことができます。ただ、毎日のように返済を迫る電話や訪問などに応対しなければなりませんし、そのような状況下では、自分がどのくらいの借金を抱え、どのようにしたら収入の範囲で今後の生活を立て直せるのか、冷静に判断することはかなり困難なことだろうと思います。また、借金をした立場で債権者に対し、自己の権利等を主張することはある程度の法律知識や相当の勇気を必要とすることでしょう。そのような時が我々弁護士の出番なのです。

2. まずは取立を止めることから

 弁護士は、依頼者の方から詳細に事情を聞いた上で、債務整理を受任すると、各債権者に対して一斉に受任通知(介入通知)を出します。弁護士の受任通知を受けた債権者は、以後、直接債務者に連絡したり、返済を迫ったりすることが一切できなくなります。その上で、各債権者に対する返済を一時停止して、依頼者と各債権者の取引履歴や依頼者の残債務、資産状況を調査するわけです。この間、依頼者は、債権者から取立を受けることもなく、調査終了までは返済する必要もありませんので、本来の仕事に集中でき、平穏な生活を取り戻すことができるのです。

3. 正確な債務額を調査(引き直し計算)

 さて、先ほど、「弁護士は債務整理の開始時において、各債権者からの取引履歴調査を行う」と書きました。各債権者の債権額は、債務者に対する最後の請求書を見れば分かるはずなのに、なぜそのようなことをするのでしょうか?実は、最後の請求書に書かれている金額は、あくまで債権者の言い分であって、法律に当てはめれば、必ずしもその金額を返済する義務があるとは限らないからなのです。

 利息制限法という法律によれば、原則として、債権者が債務者より受け取って良いとされている利息としては、元金が10万円未満の場合は年20%、元金が10万円以上100万円未満の場合は年18%、元金が100万円以上の場合は年15%と決められています。債権者は法律の要件を満たした特別な事情がない限り、それ以上の利息を取ってはいけないことになっているのです。

 しかし、現実はどうでしょう?消費者金融の契約書などを見ても、長年契約が続いている業者などは、年利25%〜29%という利息が取られていないでしょうか?仮に元金50万円の借入に対して債権者が年25%の利息を取っていた場合には、利息制限法で定められた年18%を超える部分は、原則として取り過ぎと言うことになります。もし、債権者がその取引が利息制限法の例外にあたるものだと主張するのであれば、それが例外だと証明する責任は債権者にあるのです(ただし、例外だと主張して争う債権者は今のところそう多くありません)。従って、弁護士は、払い過ぎとなっていた年7%の利息部分については、元金を返済したものとして扱い、依頼者と債権者との間の全部の取引につき元金を減らしていく計算をし直すわけです(これを「引き直し計算」といいます)。

 こうやって計算し直してみると、まだ残っていると考えていた債権者主張の残元金が、実際には結構減っているということもあり、場合によっては、利息を返しているつもりだったのに長い取引の間に元金も返済完了しているどころか逆に債権者に払いすぎてしまっているというようなことも生じるのです(これを「過払い」といいます)。

4. 債務整理の方法

 さて、このようにして依頼者のすべての債務額が確定し、依頼者の資産や収入がはっきりすると、いよいよその債務の解消に向けて具体的な処理を開始します。一般的に個人の多重債務者の債務整理の方法としては、大きく(1)任意整理、(2)自己破産、(3)個人再生に分けられます。以下に、極めておおざっぱではありますがこれらの債務整理方法を紹介します。

(1) 任意整理

 任意整理は、弁護士が各債権者に対し個別に交渉を行い、確定した残元金を基準として今後の返済額や返済条件等を定めて和解していくというものです。
 裁判所の手続きを経ないため簡易で費用はあまりかかりませんし、不動産や自動車を所有していたとしてもその資産を処分したりする必要はありませんが、残元金につき、3年から長くても5年程度の期間で返済を終える必要があります。従って、親族等の援助が得られない場合には、総債務額がそれほど多くなく返済に回せるだけの一定の収入があることが条件になるかと思います。

(2) 自己破産

 自己破産手続は、裁判所において、債務者の全財産(生活に最低限必要なものは除く)をもってしても債務を完済できない状況にあることを確認した上で、財産を換価処分し、各債権者に分配した上で、それでも返済しきれない債務についてはその後の免責手続において、裁判所から、残債務は返済しなくても良いとのお墨付きをもらう方法です。
 返しきれない債務は返さなくても良いとしてもらうものですから、原則的に自己所有の不動産や自動車等は皆処分して返済に回す必要があります。もっとも、めぼしい資産が無い場合には、債務だけが存在するという状態ですので、換価や分配の破産手続を進めることなくすぐに免責手続に移行します(これを「同時廃止」といいます)。残債務の返済義務が無くなる可能性があるということで、債務者にとっては一番良い方法とも言えなくもないですが、持ち家を失ったり、借入の原因や破産に至るまでの経緯等によっては免責決定を得られない可能性もあるので、その点は注意が必要です。

(3) 個人再生

 個人再生手続も裁判所を利用する制度です。自己破産のように最終的に債務を返済しなくてよいとなる制度ではありませんが、債務を相当程度圧縮して、返済しやすくすることが可能となります。また、例外もありますが、自宅を手放さずに住宅ローンを払いつつ債務を整理することも可能です。
 但し、住宅ローンを除く総債務が5000万円以下であることや、原則3年間で決められた金額を返済しなければならないこと、返済を前提とするので定期的な収入が得られる見込みがあることなどが条件となっています。どうしても自己破産はしたくない人、自宅を手放さずに債務を整理したい人などにとっては、任意整理に加えて債務整理の幅が広がったといえるでしょう。

5. まずは、ご相談ください

 以上が、大まかな債務整理の種類とその概要です。一見同じような負債状況であっても、それぞれ抱えている背景などは人それぞれです。冒頭の事例の方も、収入や資産、家族関係等によってはまったく別の債務整理方法を選択するようになることもあります。従いまして、依頼者の事情によりどれが一番その人にあった債務整理方法なのかは、実際にお話を伺ってみないと分かりません。当事務所では、債務整理に関する初回の相談は無料で行っておりますので、借金でお困りの方は、是非一度当事務所に足をお運びください。

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